防火戸の交換は「扉選び」より先に「性能区分合わせ」です
マンションの玄関ドアは、共用廊下に面する開口部として防火設備が求められることが多いです。そのため交換ではデザインより性能区分が先に決まります。2026年10月時点で建築基準法は遮炎60分以上の特定防火設備と、遮炎20分以上の防火設備を分けています(施行令第109条の2・第112条第1項。それぞれ旧法の甲種防火戸・乙種防火戸に当たります)。どの区分が必要かは好みではなく建物の用途と開口部の位置で決まるので、管理組合と特定行政庁・指定確認検査機関に先に確認してください。
次に見るのは認定です。防火戸は国土交通大臣の認定品か告示の仕様に合う製品でなければならず、工事後に認定番号やラベル、仕様書を受け取っておきます。三つ目は自動閉鎖で、常時閉鎖または火災時に閉鎖する構造が前提になるためドアクローザーが一緒に掛かります。四つ目は規格です。既存のマンションは有効幅が規格と合わず実測製作になることがあり、製作加算と納期が付きます。枠を残して新しい枠をかぶせるカバー工法を選べる場合は工期が短くなります。
リフォームの単価には公的な基準価格がありません。業者・地域・時期・現場の状態で大きく変わるので見積りは2~3社取って比べてください。入力欄の例の数字は形式を示すためのもので相場ではありません。消費税10%は含めるかどうかを自分で選べます。
防火戸の交換で追加費用が付く条件
| こんな条件なら | 追加される項目 | 確認する書類・相手 |
|---|---|---|
| 有効幅が非標準 | 実測製作の加算・納期の遅れ | 実測表と製作期間 |
| 枠ごと交換する | 壁の左官・仕上げの復旧 | 復旧範囲が見積に入っているか |
| カバー工法にする | 有効幅が少し狭くなる | 開口の実寸と使い勝手 |
| 求められる区分が上がる | 本体が重くなり丁番の補強 | 行政が求める区分 |
| 管理組合の承認が必要 | 共用廊下の養生・EV使用 | 管理規約と申請手順 |
| 工事後に仕様書が未受領 | 後の紛争・やり直しの恐れ | 認定番号とラベルの控え |
この計算機は防火の要求がない一般ドアの交換は扱いません。錠・補助錠の交換、共用廊下の扉、防火シャッター、壁の補強や左官の復旧、高所作業車、休日割増も入っていません。分譲マンションでは玄関ドアが管理規約上共用部分の扱いになることが多いので、勝手に替えられるかを必ず管理組合に確認してください。国土交通省のマンション標準管理規約でも玄関扉は共用部分の開口部とされ、改良工事は管理組合が行うか、細則に沿って区分所有者が申請して行う形です(第22条)。
よくある質問
マンションの玄関ドアは共用廊下に面する開口部として防火設備が求められることが多く、区分を満たす認定品の中から選ぶことになります。さらに分譲マンションでは管理規約上の共用部分として扱われる例が多いため、管理組合の承認が前提です。
防火設備は常時閉鎖または火災時に閉鎖する構造が前提です。自動閉鎖装置は選択肢ではなく性能の一部と考えてください。計算機ではチェックを外せますが、実際の工事で省くのは避けるべきです。
玄関ドアが共用部分の扱いなら、無断交換は原状回復の請求や紛争につながります。工事日・共用廊下の養生・エレベーターの使用をあらかじめ相談してください。