配当だけ見ると見落とす還元、自己株買い
会社が株主にお金を返す方法は配当だけではありません。自社の株を買って消却すれば株数が減り、残った株主の持ち分価値が上がります。そのため配当利回りだけを見ていると、還元に積極的な会社を見落とします。株主還元率(シェアホルダーイールド)は(配当総額 + 自己株買い・消却額) ÷ 時価総額で、2つをひとつの数字にまとめて見る指標です。
この計算機は配当の分と自己株買いの分を分けて表示します。配当利回りが2%でも自己株買いの還元率が3%なら、実際の還元は5%近いという意味です。逆に買うだけで金庫株として持ち続ける(消却しない)場合は、あとで市場に戻る可能性があるため効果が弱まります。取得額のうち実際に消却された額を入れると、より控えめな数字になります。公募増資で新株を出したならその分は還元の逆方向なので、差し引く欄に入れて純還元率を見てください。
総還元性向は還元額を純利益で割った値です。100%を超えるとその年に稼いだ以上を返したという意味で、手元資金を使ったか借り入れた場合です。1年だけ見ると特別配当や一度きりの自己株買いに振り回されやすいので、3~5年の平均で見るほうが安全です。配当総額と自己株買いの額は決算短信・有価証券報告書と適時開示で確認し、同じ会計年度に合わせて入力してください。赤字の年は純利益欄にマイナスを入れられますが、その場合の還元性向は比較の意味がないため表示しません。
よくある質問
買い付けは会社が自社株を取得することで、消却はその株を消すことです。消却まで行って初めて株数が実際に減り、株主価値が上がります。控えめに見たいなら消却された額だけを入れて計算してください。
いいえ。投資先がなくてお金を返しているだけの場合もあり、借入で還元すれば財務は弱くなります。総還元性向が100%を超えていないか、純利益と営業キャッシュフローが還元額を支えているかも合わせて見るのがよいです。
配当総額は決算短信や有価証券報告書の配当関連の項目、自己株買い・消却は適時開示と発行済株式数の変動で確認します。時価総額は計算する日の終値で変わるので、同じ時点に合わせて入力してください。