望遠鏡の倍率の計算方法と選び方
望遠鏡の倍率は単純に計算できます。望遠鏡の焦点距離を接眼レンズの焦点距離で割るだけです。焦点距離900mmの望遠鏡に25mmの接眼レンズを使うと36倍、×2バローを追加すると72倍になります。しかし高倍率にすればするほど良いわけではありません。
最大有効倍率の目安は口径(mm)×2程度です。それ以上に拡大しても望遠鏡の集光力と分解能が限界を超え、像が暗くぼやけるだけです。また大気の揺らぎ(シーイング)が実用的な倍率をさらに制限することが多く、経験豊富な観測者でも200〜250倍以上を使う機会は限られています。
射出瞳径(口径÷倍率)は接眼レンズに入る光束の直径です。夜間の瞳孔径は5〜7mmに広がるため、射出瞳径がこの範囲に近いほど明るい視野が得られます。低倍率では星野や星団の広域観察に、高倍率では月・惑星・二重星などの細部観察に向いています。用途に応じて複数の接眼レンズを使い分けることが望遠鏡観測の醍醐味です。
よくある質問
接眼レンズの焦点距離が大きいと倍率が低くなりますか?
はい。接眼レンズの焦点距離(mm)が大きいほど倍率が低く視野が広くなります。25mmは低倍率の広視野観察に、10mm以下は高倍率の惑星観察に適しています。
バローレンズは画質を低下させますか?
高品質なバローレンズは画質への影響がほとんどありません。廉価品は色収差やコントラスト低下が生じることがあります。バローを使うと短焦点の接眼レンズのアイレリーフが延び、眼鏡をかけた方にも便利です。
月の観察に最適な倍率は?
月は明るいため100〜200倍での地形観察が楽しめます。300倍を超えると大気の揺らぎの影響を強く受け、かえって像が不安定になることがあります。シーイングが良い夜を選んで高倍率を試してみてください。